「人の役に立つ、尊い仕事だから」「あなたしかいないから」。
そう言われると、つい無理をしてしまう。残業も、休日出勤も、安い給料も、「やりがいがあるから」と飲み込んでしまう。特に福祉や対人の仕事では、こうした「やりがい搾取」が起きやすいものです。
やりがいは本物。でも、それを盾に自分をすり減らす必要は、ありません。
「やりがい」と「搾取」は、別のもの
大事なのは、この2つを切り分けること。
- やりがい — あなたの内側から湧く、仕事への誇りや喜び。これは尊いもの
- 搾取 — その気持ちを利用して、正当な対価や休息を与えないこと
やりがいを感じること自体は、すばらしいこと。問題は、それを 理由に、無理を正当化される 構造のほうです。あなたの気持ちは悪くありません。
搾取のサインに気づく
こんな状態が続いていたら、注意報です。
- サービス残業が常態化している
- 「あなたのためを思って」と、断りにくい雰囲気がある
- 心身が疲れているのに、休むと罪悪感を感じる
- 「代わりがいない」と言われ、責任を一人で背負わされている
やりがいは、無償の献身を強いる理由には、ならない。
自分を守る、線引きの言葉
境界線は、悪いことではありません。長く健やかに働くための、必要な技術です。
- 「申し訳ありませんが、今日は予定があるので失礼します」
- 「その業務は、私の担当範囲を超えています」
- 「一度、持ち帰って考えさせてください」(即答を避ける)
すべてに「はい」と言わない。それだけで、搾取の構造から少し抜け出せます。
「逃げる」も、立派な選択
線を引いてもなお、無理が続く職場なら、その場を離れることも、れっきとした自己防衛です。
「逃げ」ではなく「自分を守る撤退」。あなたの健康は、どんな仕事より大切です。代わりはいても、あなたの心と体の代わりは、どこにもありません。
今日から
やりがいを感じるあなたは、まじめで、心ある人です。だからこそ、自分を守ってください。
やりがいは持ち続けていい。でも、無理は、手放していい。
まずは小さな「ノー」を、一つ言ってみることから。