夜中にふと、「このまま一人だったら、お金は足りるのかな」と不安になる。

考えはじめると怖くて、つい目をそらしてしまう。でも、漠然とした不安にいちばん効く薬は、実は「具体的な数字」を知ることです。怖さの正体が見えると、不安は「計画」に変わります。

この記事は一般的な目安です。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて公的窓口やファイナンシャルプランナーにも相談してくださいね。

まず、毎月いくらで暮らせる?

総務省の家計調査などをもとにすると、単身の高齢者の生活費は 月およそ15〜16万円 が一つの目安とされています。

一方、受け取れる年金は人によって大きく違います。会社員として長く働いてきた場合の厚生年金は月10〜14万円ほど、自営業などで国民年金中心の場合は月6〜7万円ほどになることが多いです。

つまり、ざっくりした不足額は——

状況 月の不足(目安)
厚生年金が手厚い場合 月 1〜5万円ほど
国民年金が中心の場合 月 8〜10万円ほど

不足分 × 年数 = 必要な備え

仮に「月5万円不足 × 65歳から90歳までの25年」で計算すると、

5万円 × 12か月 × 25年 = 1,500万円

よく聞く「老後2,000万円」という数字は、こうした不足の積み重ねから来ています。月の不足が大きい場合は、もっと必要になることもあります。

数字だけ見ると気が遠くなるかもしれません。でも、ここからが大事なところです。

35歳からなら、まだ十分間に合う

仮に65歳までの30年間で1,500万円を準備するとしたら——

  • 単純計算で 月およそ4.2万円
  • ただし、NISAなどで年利3%程度を期待して運用できれば、月およそ2.6万円 ほどでも届く可能性があります

「2,000万円」と聞くと絶望的に思えても、「月2〜4万円を、30年かけて」と分解すると、ぐっと現実的になりませんか。

今日からできる、最初の3つ

  1. 自分の年金見込み額を知る — 「ねんきんネット」やねんきん定期便で、将来もらえる額の目安を確認する
  2. 毎月の固定費を1つ見直す — 使っていないサブスク、高すぎる通信費。浮いたお金が、そのまま備えになる
  3. 少額で積立を始める — 月数千円でもいい。「始めた」という事実が、不安を行動に変えてくれる

数字は、味方になる

お金の不安は、見ないでいるあいだは、どこまでも大きくなります。でも、一度きちんと向き合って数字にすると、「思っていたより、なんとかなりそう」と思えることが多いものです。

一人で生きる人生は、自分のためにお金を使い、自分のために備えられる人生でもあります。怖がらず、今日、小さな一歩を。