トイレットペーパーの補充。冷蔵庫の在庫チェック。家族の予定の把握。誰がやったか、覚えている人はいません。でも、切らしたり、忘れたりすると、すぐに気づかれる。
これが「名もなき家事」です。なぜ、これらの労働には、名前がつかなかったのでしょうか。
家事分担の傾向に関する数値は、調査・年版により異なります。最新は一次情報でご確認ください。
「名もなき家事」とは
「料理」「洗濯」「掃除」には、名前があります。でも、その周辺には、名前のない無数の作業があります。
- 日用品の在庫を、把握して補充する
- ゴミの分別と、収集日の管理
- 家族の予定や、体調を気にかける
- 「何が足りないか」を、常に考えている
これらは、やって当たり前、できていないと気づかれる。感謝されることの少ない、見えない労働です。
なぜ、名前がつかなかったのか
名前がつかなかったのには、理由があります。
- 当たり前とされた — 「やって当然」だから、労働と認識されない
- 特定の性が担ってきた — 主に女性が担い、可視化されなかった
- 成果が見えにくい — 「ない状態」を保つ仕事は、評価されにくい
名前がないということは、存在しないことにされてきた、ということ。数えられず、分けられず、感謝もされない。だから、偏りが温存されてきたのです。
名前のない労働は、存在しないことにされ、だからこそ偏ったまま温存される。
名前をつけることが、第一歩
この問題への対処は、シンプルです。名前をつけ、数え、分けること。
- 「名もなき家事」を、リストにして見えるようにする
- 誰が、どれだけ担っているかを、把握する
- 「ともに担う」前提で、分け直す
見えないものは、分けられません。まず可視化することが、平等への第一歩です。
「気づく人」が、損をする構造
名もなき家事には、もう一つの罠があります。「気づいた人がやる」ことになりがち、という点です。
- 在庫の少なさに、先に気づいた人がやる
- 気が利く人ほど、負担が増える
- 結果、特定の人(多くは女性)に偏る
これを変えるには、「気づいた人まかせ」ではなく、「分担を決めておく」ことが大切です。
家庭は「小さな社会」
家庭での、この見えない不均衡は、社会全体の縮図でもあります。
- 家庭でケアが偏る → 職場でも「女性はサポート役」とされる
- 見えない労働の軽視 → ケア職の低評価につながる
家庭での平等は、社会の平等の、出発点なのです。
今日から
家の中の「名もなき家事」を、一つ思い浮かべてみてください。それに、名前をつけてみる。
名前をつけ、数え、分けることが、平等の第一歩。
見えない労働を、見えるようにする。その小さな一歩が、家庭から社会へと、平等を広げていきます。