「いい年して」「結婚は、まだ?」「条件が高すぎる」。
日々、どこからともなくぶつけられる、こうした言葉。聞くたびに、心のどこかが、少しずつすり減っていく。そして、いつのまにか思ってしまうのです。「うまくいかないのは、私が足りないからだ」と。
でも、まず、この問いから始めさせてください。その違和感は、本当に「あなた個人」の問題なのでしょうか。
違和感を、否定しない
この特集は、あなたに「もっと頑張れ」「考え方を変えろ」とは言いません。
まず、あなたが感じている違和感や、生きづらさを、そのまま受け止めます。それは、わがままでも、考えすぎでもない。理由のある、まっとうな感覚です。
個人の問題に、見せられてきた
これまで、女性の生きづらさは、しばしば「個人の努力不足」として語られてきました。
- 輝けないのは、努力が足りないから
- 結婚できないのは、条件が高いから
- 活躍できないのは、能力やガッツの問題
でも、本当にそうでしょうか。一人ひとりの問題に見えるものの背後に、社会の構造が横たわっていることが、あります。
個人の問題に見えるものの多くは、実は、構造の問題かもしれない。
HeForSheが、示した視点
2014年、国連の場で、ある運動が始まりました。HeForShe。女優エマ・ワトソンのスピーチで、広く知られるようになった運動です(出典:UN Women)。
その核心は、こうです。
「ジェンダー平等は、女性だけの問題ではない。全員の、人権の問題である」
女性が縛られている構造は、実は男性をも縛っている。だから、これは「女性 対 男性」の戦いではなく、男女が「ともに」向き合うべき、共通の課題なのだ——と。
この特集の、宣言
私たちは、この視点に立ちます。
- 努力で輝け、とは言わない
- あなたを縛る「構造」を、見つめる
- 男性も含めた「ともに」を、描く
性別役割という見えない枠が、女性も男性も、どう縛っているのか。それをほどいた先に、どんな「ともに」があるのか。連載を通じて、一緒に考えていきます。
これからの地図
この連載では、こんなテーマを巡ります。
- 男性も縛られている——「大黒柱」という呪い
- 家庭という最前線——ケアと家事の偏り
- 制度のあり方——輝きは制度で決まる
- 連帯か、分断か——味方になるとは
- HeForSheとは——10年を振り返る
- 輝く女性のあり方——定義を取り戻す
そして最後に、タグライン「35歳から、本当の自分が咲く」へと、静かに帰っていきます。
はじめに
あなたが輝けないのは、あなたのせいではない。
この言葉を、絶望としてではなく、出発点として受け取ってください。自分を責めるのをやめて、構造を見つめる。そこから、「ともに」の物語が始まります。
※この連載で触れる統計・調査の数値や年版は、執筆時点の情報です。最新の数値は、一次情報でご確認ください。