ジェンダーの話題を持ち出すと、SNSはすぐに荒れます。男女が対立し、互いを非難し合う。なぜ、こうなってしまうのでしょう。
HeForSheが大切にしたのは、「分断」ではなく「連帯」でした。男性を敵にするのではなく、味方として招き入れる。その設計の意味を、考えてみます。
ここで扱うのは、運動の設計思想についての一般的な考察です。
なぜ「分断」が起きるのか
ジェンダーの議論が荒れるのは、それが「女性 対 男性」の構図で語られがちだからです。
- 「女性の権利」を、「男性からの奪取」と捉えてしまう
- 一方を立てると、他方が責められているように感じる
- 対立構造が、感情的な反発を生む
でも、本当に、これは奪い合いなのでしょうか。
HeForSheの、根本的な発想転換
HeForSheが画期的だったのは、ジェンダー平等を「女性のための運動」ではなく、**「全員のための運動」**と定義し直したことです(出典:UN Women)。
- 平等は、女性が男性から「奪う」ものではない
- 性別役割は、男女どちらも縛っている
- だから、ともに解放を目指す「協働」である
「奪い合い」を「分かち合い」に変える。これが、分断を避ける核心です。
平等は、パイの奪い合いではない。男女ともに、役割の檻から出る協働である。
男性も、得をする
連帯の発想では、男性も平等から「得をする」と考えます。
- 「強くあれ」の重圧から、解放される
- 弱さを見せ、頼れるようになる
- ケアに、参加できるようになる
- 子どもと過ごす時間が、得られる
平等は、男性から何かを奪うのではなく、男性をも自由にするもの。これが「味方になる」動機になります。
「味方になる」とは
では、男性が味方になるとは、具体的にどういうことでしょう。
- 女性の声に、耳を傾ける
- 構造の問題を、理解する
- 自分の特権に、気づく
- 日常の中で、できることをする
敵対するのでも、上から助けるのでもなく、ともに構造を変える仲間になる。それが連帯です。
分断は、誰の得にもならない
男女が対立し、消耗し合うことで、得をするのは誰でしょう。それは、構造を変えたくない側かもしれません。
- 分断していれば、構造は温存される
- 対立に消耗すれば、本当の問題に向かえない
- 連帯してこそ、構造は動く
だから、分断ではなく連帯を選ぶことには、戦略的な意味もあります。
今日から
ジェンダーの話で対立しそうになったら、思い出してください。
これは奪い合いではなく、男女がともに役割の檻から出る、協働である。
分断ではなく、連帯を。味方になりたい男性とともに、構造を変えていく。それが、HeForSheの描いた道です。